eterna La storia senza fine...「続く」で終わる物語
「お前のために輝かないのなら、世界には何の意味もない」
そう言い切った男には、漆黒よりも美しい闇色の翼が。
堕ちた天使の翼があった。
地獄の腕に抱かれたルチーフェロは、あの美しき男に祝福をと、笑みを浮かべた。
__________
「1625×10の22乗分の1、なんだって」
「…何がだ?」
膝の上に乗せていたアルフレードが、クッションを抱えたままぽつりと言う。
問えば、鳶色の美しい瞳が向けられる。
「この世界の中で、」
するりと、彼の細い腕が首へ回され、頬を蜂蜜よりも甘い色をした柔らかな金糸の髪が撫でた。
そして、艶然と言うに相応しい笑みを浮かべ、囁く。
「たったひとりの愛する人と出逢い、愛し合える奇跡の確立」
その瞬間。
俺は、アルフレードに。
この愛しい存在に、何度目かの恋をした。
__________
「涙は口をきかない悲しみの言葉である」。
そう言った哲学者がいた。
ならば彼は、どれほどの悲しみの言葉を叫んでいると言うのだろうか。
「アル…アルフレード」
眠りながら涙を流し、縋るように枕を握り締める愛しい存在。
その手が、俺に伸ばされることはない。
何故、ひとりで泣くのか。
何故、俺に縋らないのか。
そう、問うことが出来ずに、俺は彼の頬を濡らす涙を拭う。
いつか、彼の悲しみの言葉を聞くことができる日を、願いながら。
__________
例えば、世界が今日滅ぶとしたら、あなたは何がしたい?
そう聞いたオレに、あなたは。
「滅ぶ瞬間にお前とキスができたら幸せだろうな」
と言って、抱き締めてくれた。
こうして温もりを分け合いながら、最期の瞬間に愛の言葉を囁けるだけでいい、と言う。
本当に、世界なんて滅んでしまってもいいくらい、オレは何て幸せなのだろう。
__________
その言葉が好きなわけではない。
「おかえりなさい、ハイン」
お前が、その言葉を紡ぐのが好きなんだ。
__________
「ハイン」
「どうした?」
神さま、お願いです。
「おいで、アル」
「うん」
今、ここに、確かに居るのだという証をください。
__________
お前に、ラブレターを書いてみようと思った。
使い慣れない便箋を前にし、お前の名前を書いたところでペンが止まる。
お前に贈りたい言葉は、挙げられないほどある。
だが、本当に伝えたい言葉はたったひとつだ。
ペンを置き、封をしてお前に渡す。
なぁ、アルフレード。
俺がお前に伝えたい言葉は、たったひとつしかないんだ。
「愛している」
__________
あなたに、ラブレターを書いてみようと思った。
便箋を前にして、名前を書いたところでペンを置く。
いろいろ考えたけれど、あなたに伝えたい言葉はたったひとつしかなかったから。
何も書かないまま、封をして、あなたに渡す。
ねぇ、ハイン。
オレがあなたに伝えたい言葉は、たったひとつしかなんです。
「愛しています」
__________
月と太陽が恋をして、愛し合って、星が生まれた。
けれど。
彼とオレがどれほど愛し合っても、何かを生み出すことはできない。
初めて、寂しいと感じた。
__________
理由は、言葉では言い表せない。
いや、理由などないのかもしれない。
見た瞬間に、出逢った瞬間に。
心が、叫んだ。
そう、これは、本能的な飢えだ。
彼を求めようと、求められたいという、醜くも純粋なまでの飢えだ。
渇望、なのだ。

そう言い切った男には、漆黒よりも美しい闇色の翼が。
堕ちた天使の翼があった。
地獄の腕に抱かれたルチーフェロは、あの美しき男に祝福をと、笑みを浮かべた。
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「1625×10の22乗分の1、なんだって」
「…何がだ?」
膝の上に乗せていたアルフレードが、クッションを抱えたままぽつりと言う。
問えば、鳶色の美しい瞳が向けられる。
「この世界の中で、」
するりと、彼の細い腕が首へ回され、頬を蜂蜜よりも甘い色をした柔らかな金糸の髪が撫でた。
そして、艶然と言うに相応しい笑みを浮かべ、囁く。
「たったひとりの愛する人と出逢い、愛し合える奇跡の確立」
その瞬間。
俺は、アルフレードに。
この愛しい存在に、何度目かの恋をした。
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「涙は口をきかない悲しみの言葉である」。
そう言った哲学者がいた。
ならば彼は、どれほどの悲しみの言葉を叫んでいると言うのだろうか。
「アル…アルフレード」
眠りながら涙を流し、縋るように枕を握り締める愛しい存在。
その手が、俺に伸ばされることはない。
何故、ひとりで泣くのか。
何故、俺に縋らないのか。
そう、問うことが出来ずに、俺は彼の頬を濡らす涙を拭う。
いつか、彼の悲しみの言葉を聞くことができる日を、願いながら。
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例えば、世界が今日滅ぶとしたら、あなたは何がしたい?
そう聞いたオレに、あなたは。
「滅ぶ瞬間にお前とキスができたら幸せだろうな」
と言って、抱き締めてくれた。
こうして温もりを分け合いながら、最期の瞬間に愛の言葉を囁けるだけでいい、と言う。
本当に、世界なんて滅んでしまってもいいくらい、オレは何て幸せなのだろう。
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その言葉が好きなわけではない。
「おかえりなさい、ハイン」
お前が、その言葉を紡ぐのが好きなんだ。
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「ハイン」
「どうした?」
神さま、お願いです。
「おいで、アル」
「うん」
今、ここに、確かに居るのだという証をください。
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お前に、ラブレターを書いてみようと思った。
使い慣れない便箋を前にし、お前の名前を書いたところでペンが止まる。
お前に贈りたい言葉は、挙げられないほどある。
だが、本当に伝えたい言葉はたったひとつだ。
ペンを置き、封をしてお前に渡す。
なぁ、アルフレード。
俺がお前に伝えたい言葉は、たったひとつしかないんだ。
「愛している」
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あなたに、ラブレターを書いてみようと思った。
便箋を前にして、名前を書いたところでペンを置く。
いろいろ考えたけれど、あなたに伝えたい言葉はたったひとつしかなかったから。
何も書かないまま、封をして、あなたに渡す。
ねぇ、ハイン。
オレがあなたに伝えたい言葉は、たったひとつしかなんです。
「愛しています」
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月と太陽が恋をして、愛し合って、星が生まれた。
けれど。
彼とオレがどれほど愛し合っても、何かを生み出すことはできない。
初めて、寂しいと感じた。
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理由は、言葉では言い表せない。
いや、理由などないのかもしれない。
見た瞬間に、出逢った瞬間に。
心が、叫んだ。
そう、これは、本能的な飢えだ。
彼を求めようと、求められたいという、醜くも純粋なまでの飢えだ。
渇望、なのだ。

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