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頁のない物語 #15

「助けて、助けて、助けて」

誰か。
誰でもいいから。
助けて。

ねぇ、無力な神さま。
この声はあなたに届いていますか?
この喉が潰れるまで泣き叫べば、誰かに伝わりますか?

「…助けて」

__________


人を愛することが罪だと言うのなら、どうか罰してください。

「地獄なんて、恐れるものではないのだから」

悪魔よりも残酷で残忍な神の加護など望まない。
欲しいのは、たったひとつ。
いつだって手を差し伸べてくれる、オレだけの神さま。
不平等で、優しくて、否定を許さない神さまの肯定だけ。

__________


声が聞きたいなって思ったとき、七色のイルミネーションがオレを呼ぶ。
ディスプレイには、彼の名前。
同じときに同じことを考えていたなんて、恥ずかしくて。

「もしもし?」

けれど。
機械越しの彼の優しい声に、堪らなく幸せになった。

__________


確かに、世界は単色だった。
けれど、その単色の中にも光はあるのだと知った。
本当はずっとずっと前から知っていたはずだったのに。
オレは、気付かない振りをしていたのだろう。
だって、それを知ってしまったら弱くなるから。
これ以上、大切なものが増えてしまったら、弱くなるから。
そう、思っていた。
それなのに、世界はその光で、力強く輝き始めた。

__________


あなたを失う覚悟も、あなたを置いてゆく覚悟もできているのです。
君はそう言って微笑んだけれど。
私は弱いから、君を失う覚悟も置いてゆく覚悟もできそうにない。
だから、どうか。
その時が来たら、二世の契りを交わそう。

__________


言葉にするほど曖昧で、形にしようとするほど脆く儚い。
掴んだかと思えば砂のように零れ落ち、水のように姿を変える。
けれど、確かに存在するそれ。
それがいかに強靭で優しいものか、俺はようやく知ることができた。
お前の存在と引き換えに。

「お願いだから、もう一度だけでもお前を愛したい」

*ドクターと亡き恋人

__________


幸せだ、と実感することは存外に難しい。
けれど本当は、とても些細で何気ないことに人は「幸せ」を感じている。
たとえば、大切な人と出逢えたこと。
たとえば、大切な人と穏やかな時間を過ごせたこと。
たとえば、大切な人の新しい表情を見られたこと。
たとえば、大切な人が笑ってくれること。
たとえば、大切な人が愛してくれて、愛することができること。

「幸せは、本当はとても身近に溢れているものなんだ」

__________


「あいつらみたいなのを“夫婦善哉”って言うんだろうな」
「いえ、違いますよ」
「他に何て言うんだ?」
「“砂を吐くほどの甘々なバカップル”、です」
「……確かに」

「ハイン、先生とフルアさんが生暖かい目でこっちを見ているよ」
「そんなの気にするな。アルは俺だけを見ていろ」

__________


私にはあなたが遠すぎて。
どんなに端っても追いつくことができなくて。
それでも。
それでも私は、あなたの背中から目が離せないの。

__________


激しい雨の降る夜。
開かれた文庫本のページは進むことなく、彼の視線はいつも窓の向こう。
何を、見ているんだ?
何が、見えているんだ?

「……」

存外に意気地のない俺は、万が一にも拒まれることを恐れ、怯えて。
その言葉を紡ぐことが、できずにいる。

「お前は一体、何を抱えているんだ?」

雨に濡れた窓の向こうに、幾度目かになる問いかけを落とした。



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